AIとビジネス課題をつなぐ「地図」を描く

Kyndryl Vitalのデータサイエンティスト 清水真理子が人工知能学会理事に就任

2026年6月、キンドリルジャパンのKyndryl Vitalでデータサイエンティストを務める清水真理子が、一般社団法人 人工知能学会の理事に就任しました。人工知能学会は、AI研究の進展と知識の普及を通じて、学術・技術のみならず産業や社会の発展に貢献する国内有数の学術団体です。清水は理事として、同学会が推進する「AIマップ」の発展と普及に取り組みます。 

現在、AIの活用が急速に進む一方で、多くの企業がAI人材や組織の準備不足という課題に直面しています。キンドリルのPeople Readiness Reportによると、日本企業の87%が「AI導入のスピードが人材や組織の適応を上回る」と回答しています。そうした中で重要になるのが、AIの全体像を正しく理解し、技術とビジネス課題を結びつけるための共通言語です。 

人工知能学会が推進する「AIマップ」は、AI研究や技術、社会課題の全体像を俯瞰し、AIを学ぶ人や活用を検討する企業にとっての道しるべとなる取り組みです。今回は、AIマップ担当理事に就任した清水に、その意義とKyndryl Vitalでの活動とのつながりについて聞きました。 

なぜ今、AIマップが重要なのでしょうか。

AIは非常に幅広く、変化の速い領域です。そのため、専門家であっても全体像を把握することは簡単ではありません。

一方で、AIは研究の世界だけでなく、企業や社会のさまざまな場面で活用されるようになっています。だからこそ、技術や研究領域、社会課題との関係を俯瞰できる「地図」のようなものが必要だと考えています。

AIマップは単なる技術一覧ではありません。AIに関心を持った人が自分の現在地を知り、次に何を学び、どのような課題に取り組むべきかを考えるための入口です。研究者や学生だけでなく、企業の実務者やAI導入を進める組織にとっても重要な共通基盤になると考えています。

Kyndryl Vitalでの経験は、学会活動にどのように生かせると考えていますか。

Kyndryl Vitalでは、お客様と共創しながらAIやデータを活用したビジネス変革に取り組んでいます。

その中で強く感じるのは、企業が直面している課題は「AIで何ができるのか」だけではないということです。

実際には、「どの課題に適用すべきか」「どの技術を選択すべきか」「どのように価値につなげるべきか」といった問いが重要になります。

例えば、私たちはお客様向けにAI 活用アイディアを整理するワークショップを提供していますが、その際にもAIマップを使い技術領域を俯瞰しながら議論することで、お客様が抱える課題や優先順位を整理し、新たな可能性を発見するきっかけになっています。

こうしたお客様との実際の対話での活用経験は、AIマップをより実践的なものに発展させる上でも役立つと考えています。

AIマップは企業にどのような価値をもたらすのでしょうか。

企業がAI活用を進めるためには、技術そのものだけでなく、人材、組織、ガバナンスも含めて準備を進める必要があります。

AIマップは、AIの全体像を分かりやすく示すほかに、技術とビジネス課題を結び付けるための共通言語になります。

例えば、ある課題を解決したいと考えたときに、「どのAI技術が活用できるのか」「どのような選択肢があるのか」を俯瞰的に理解できるようになります。

研究者と企業、技術者とビジネス部門、あるいは異なる専門領域の人たちが同じ視点で対話できることは、AIを社会に実装していく上で非常に重要だと考えています。 

今後の展望を教えてください。

人工知能学会は今年40周年を迎えました。その節目のキーワードの一つが「挑戦」です。 

私は、AIマップを「全体を俯瞰するための地図」から、「次の挑戦を見つけるための地図」へと発展させていきたいと考えています。 

学び始めた人にとっては自分の関心や専門性がどこにつながるのかを考える入口として、異分野の研究者にとっては対話や連携のきっかけとして、企業にとっては技術と課題を結び付け、これからの挑戦を探るための手がかりとして活用されることを期待しています。 

AI時代にはテクノロジー自体だけではなく、それを理解し、活用し、社会価値につなげられる人材と組織が重要です。そうしたなか、AIマップが技術とビジネス、研究と社会をつなぐ共通基盤として、より多くの人に活用されるよう尽力したいと思います。 

今後もKyndryl Vitalでのお客様との共創活動や学会活動で得た知見を生かしながら、企業がAIをより効果的に活用し、社会価値につなげられるよう支援していきたいと考えています。 

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