メインコンテンツにスキップ

SBSリコーロジスティクス株式会社

SD-WAN を軸にしたネットワークの整備で物流企業としての専門性を高め、拠点拡大や事業推進を後押し

SBSリコーロジスティクスは、2018 年から総合物流企業である SBS グループ傘下へと移ったことを契機に、同社の物流網の生命線を担う国内外 100 拠点以上の IT インフラを刷新する必要がありました。その中でも、ネットワークについては SD-WAN やクラウド対応のネットワーク機器を採用し、導入や運用のスピード・アップとコスト削減、セキュリティー向上に寄与しました。この取り組みは、グループの拠点拡大を後押しし、同社のさらなる事業成長を実現するDX に向けた足場づくりにもつながっています。

ビジネス課題

SBSリコーロジスティクスは、M&A によって所属グループを移ることとなり、指定の期限内に IT インフラを刷新する必要に迫られました。それまでグループ共通の IT サービスを利用する立場であったことから、ネットワークやセキュリティーに関する知識を新たに習得し、主体的に IT インフラを企画・運用していくことが求められました。

ソリューション

ネットワークについては SD-WAN の導入を軸に刷新しました。キンドリルの支援のもと、Cisco Meraki シリーズや Zscaler の ZIA(Zscaler Internet Access)といった製品を導入したことで、コスト削減とビジネス・スピードの向上、さらには在宅勤務の実現や従業員向けサービスの向上を果たしています。

結果

物流事業に特化した適切なセキュリティー・レベルとサービス品質のネットワークを構築

国内外100拠点以上において限られた期間内でネットワーク・インフラの入れ替えを完了

ネットワーク専任者が不要で管理も容易なことからDXに注力できる体制へ

M&Aによって独自のネットワークインフラ構築が急務に

SBSリコーロジスティクスは、リコーの精密機器輸送を手掛けるメーカー系物流会社として誕生しました。総合3PL事業者として発展を続け、現在は国内外100拠点以上を有する総合グローバル・ロジスティクス企業として活動しています。長年培ってきた技術・ノウハウとIT・LT(Logistics Technology)を駆使し、動脈物流(包装設計・調達・生産・販売)から静脈物流(回収・再生・処理)までの “一気通貫” の「循環型ロジスティクス」を基盤とし、顧客のニーズに対して最善の手段を提案し続けられる「改善力」が強みです。同社は2018年8月からSBSグループの一員となったことにより、リコーグループ向けに提供されているITサービスを継続して利用できなくなるため、独自のITインフラを新たに構築することになりました 。ITインフラ構築の狙いについて、同社の経営企画本部 情報システムセンター デジタル推進部 部長の清水健一氏は、次のように説明します。「メーカーの物流機能から物流を本業とする事業者へと変化することに伴い、より物流事業者として最適なITインフラとは何なのかを問い直すことにしました。そこで、事業継続、ITインフラのQCD向上、情報セキュリティー強化の3つを大きな狙いとして、プロジェクトをスタートしました」1つ目の事業継続とは、リコーグループのITサービスを利用できる期限である2022年3月までに構築を完了し稼働を開始することです。2つ目にITインフラのQCD向上を挙げたのは、今までがメーカー系であるがゆえに、サービスの内容や体制が物流事業に向いていない部分もあったからです。3つ目の情報セキュリティーの強化については、昨今の情報セキュリティー事情を踏まえると、サイバー攻撃の標的となるリスクも高まっていて、事故発生を防ぐ取り組みは不可欠です。顧客へのサービス継続や、経営へのインパクトを考えれば、強化は当然の流れだと判断しました。

環境変化を好機と捉え、将来性のあるネットワークを志向

同社は上記の3つの大きな狙いを、具体的な課題レベルで17項目に落とし込んでいきました。そのうちの重要な1つが、ネットワークのサービス・レベルの最適化でした。全国一律にするのではなく、拠点規模によって変えることでコストを最適化するのです。例えば、小規模拠点については閉域網ではなくインターネット回線を利用するようにし、冗長化は止めて、障害時にはLTE回線に切り替えることにしました。そして、拠点拡大時の対応も重要なテーマです。同社では、次々と新たな物流センターの新設が続くことから、ネットワークをいかに迅速に構築できるかが問われました。また、海外拠点も増えていくことが見込まれており、海外にも対応できるような構成が必要でした。「クラウドのアプリケーション活用が進むことも視野に入れました。コロナ禍以前ではありましたが、ちょうど世の中で働き方改革の一環としてテレワークが広がっているところで、ネットワーク帯域の問題をよく耳にしていました。今後Web会議などが増えたとしても耐えうるネットワークにしようと検討を進めました」(清水氏)

さらに同社では、従業員向けサービスの向上も図ることにしました。常にスマートフォンを手にするのが当たり前となった今、物流拠点で働く人たちが利用できる無線LAN環境を用意することにしたのです。その一方で、物流センターは人の出入りが多いことから、業務用のネットワークについては接続できる機器を厳密に管理できる仕組みを導入することにしました。

主体的な運用を目指し、頼れるパートナーとしてキンドリルを選定

SBSリコーロジスティクスでは、もう1つ大きな取り組みを必要としていました。ネットワーク・インフラは、それまで情報システム部員も含めて「利用者」の立場だったのが、今度は自分たちで構築し、すべて管理しなければならない立場に変わるのです。「ネットワーク・インフラやセキュリティーに関するスキルが、ゼロと言ってもいい状態でしたが、自分たちで技術を目利きする力を身につけた上で、主体的に管理できる体制にしなければなりませんでした」(清水氏)インフラ構築のパートナーを選定するにあたっては、そのような状況でも親身にサポートしてくれることが条件の1つになりました。また、ITの進化に伴って製品も変わっていくことから、乗り替えやすく、ブラックボックス化やベンダー・ロックインにならないことも重視。さらにはロボットやAIに関する知見も持っているパートナーが望ましいと考えました。こうしたコンセプトに最も合致するとして選定したのがキンドリル(当時のIBM インフラストラクチャー・サービス)でした。その理由を清水氏は、次のように振り返ります。「特定のサービスだけではない豊富なラインアップを組み合わせて、さまざまな提案をしていただけました。また、セキュリティーやネットワークなど、各分野にスペシャリストがおり、1つひとつ細かく説明してくれたので、知識が少ない私たちとしては大変助かりました。そしてもう1つ大きな決め手になったのは、実際に利用している企業を訪問できるようにセッティングしてもらえたことでした。ユーザー企業の生の声を聞くことで見えてくることもあり、とても参考 になりました 」同社の経営企画本部 デジタル推進部 情報システムセンター セキュリティ推進課 課長 山本佑美氏は、次のように話します。「私たちのセキュリティーに関する知識が少ないことを前提に、当時のリコーグループと同等のセキュリティーにするためにはどうするか、倉庫特有の事情を考慮するためにどうするか、など1つずつ解きほぐしながら製品や方針を提案してもらえました。細かいところも相談に乗っていただき、現実的に自分たちが運用している姿が見えたのがキンドリルでした」

約100拠点のネットワーク・インフラを成功裏に入れ替え完了

2019年10月、プロジェクトが具体的に動き出しました。期限内での構築に向けて最も配慮したのは推進体制だったといいます。「領域が広く、すべてのインフラを変えなければならないことから、セキュリティーやネットワークなど各領域に担当者を配置しました。キンドリルもそれに合わせた体制を敷き、役割分担を明確にしてくれたので、知識がない我々が適切にサポートを受けることができました」(清水氏)また、数多くの「止められない」拠点に対して、どのように広げていくかにも十分な配慮がありました 。「拠点を規模別に分類して、まず小規模拠点から広げていきました。最初はパイロットに位置づけた拠点で、思い通りに動作し運用できるのかを確認し、手順も含めて構成を確立させてから本格展開していきました。止められるタイミングが土日や夜間、年末年始とゴールデンウィークしかありませんでしたが、キンドリルにも柔軟に対応してもらいながら移行を進めました」(清水氏)

キンドリルの提案を受けて、SD-WANと拠点内の無線LANにはCisco Meraki、認証はCisco ISE、ファイアウォールにCisco Adaptive Security Appliance (ASA)、リモート・アクセス用のVPNにはCisco Firepower、インターネット・アクセスのセキュリティーにZscaler ZIAを採用しました。SD-WANを採用したため、機材を取り付けてクラウド側から設定を流し込むだけでセットアップが完了しました。約100拠点ありましたが、あまりスキルがないメンバーでも対応できたため、リード・タイムとコストで有利に進められたといいます。展開を進める中では、問題に直面することもありました。「物流拠点で使うハンディー・ターミナルは種類が多く、Merakiのアクセス・ポイントでは接続できないものもあったため、ハンディー・ターミナルの切り替え計画も同時に進めることになりました。また、リモート・アクセスについても、コロナ禍で 対 応を急 がなければならなくなりました。事前に予期できなかった問題が起きても、キンドリルはメーカーやスペシャリストと連携して、解決方法をスムーズに調整いただけました」(山本氏)

新しい働き方を強力に支えるネットワーク環境を整備

こうしてSBSリコーロジスティクスでは、国内拠点のネットワークを自社のものに置き換え終えることができました。運用する中で特に大きな価値を感じるのは、SD-WANだといいます。Microsoft 365などのクラウドサービスに関しては、ローカル・ブレイクアウトによって端末から、Zscalerを介して直接インターネット接続する構成としたため、安全を保ちながらも在宅勤務の拡大で帯域がひっ迫することはありません。また、以前なら現地まで赴いてネットワーク機器に接続していた作業も、現在ではクラウド管理できるMerakiのメリットを活かし、遠隔からネットワークの状況を把握可能です。「Zscalerについても扱いやすいですし、安定的に稼働しているので、この組み合わせを選択してよかったです。検討時にはこの構成の事例が少なくて正直怖かったのですが、今では主流になりました。キンドリルと実施したプロジェクトに先見の明があったのだと思います。ユーザーは気づいていないかもしれませんが、リモート・ワークへのスムーズな移行やセキュリティーの強化などを可能にした変化は着実に起きています」(清水氏)ネットワークを実際に利用するユーザーからは、反発や否定的な声は特にないといいます。これは、ITインフラの置き換えが支障なく完了した何よりの証拠でしょう。今回構築した新たなシステム構成では、人材の流動性にも効果を発揮しています。同社では、ネットワーク担当者を置いておらず。Merakiの設置方法などをある程度手順化してしまうことで、アプリ担当者であっても拠点の新設に対応できるようにしているといいます。

DXに向けた取り組みをさらに前へ

新たな拠点に同じインフラ一式を導入したところ、ハンディー・ターミナルとロボットが混在している複雑な構成でも、問題なく稼働できているといいます。とはいえ、現状に満足しているわけではありません。今後について山本氏は「まだまだセキュリティー対策として足りていないところはあるので、その強化は継続していきますし、そのためにすでにキンドリルに 相 談しています」と話しています。また、清水氏はデジタル・トランスフォーメーション(DX)に向けた意気込みを示します。「今回のプロジェクトで構築したインフラは、在宅勤務にも支障なく対応できていますし、DXの階段を1つ進むことができたと考えています。トップが考えていることを実現するために、ITが素早く追従できる環境が整いつつあります。ネットワーク構築のプロジェクトからいったん解放されることで、今後よりDX推進の業務に注力できると思います」先進的なネットワーク環境を手に入れたSBSリコーロジスティクスは、次々に拡大するSBSグループにおけるインフラ整備のロール・モデルとしても貢献が始まっています。今後さらに、DXにおいても道筋を示す存在になることが期待されます。

「今回のプロジェクトで構築したインフラは、在宅勤務にも支障なく対応できていますし、DX の階段を1 つ進むことができたと考えています」
-  SBSリコーロジスティクス株式会社 経営企画本部 情報システムセンターデジタル推進部 部長
清水 健一 氏
「ネットワーク・インフラやセキュリティーの提供者として、自分たちで技術を目利きする力を身につけた上で、主体的に管理できる体制にしなければなりませんでした」
-  SBSリコーロジスティクス株式会社 経営企画本部 情報システムセンターデジタル推進部 部長
清水 健一 氏
「キンドリルをパートナーに選んだのは、豊富なラインアップを組み合わせ、さまざまな提案をしていただけたからです。また、各分野のスペシャリストが細かく説明してくれたので、知識が少ない私たちとしては大変助かりました」
-  SBSリコーロジスティクス株式会社 経営企画本部 情報システムセンターデジタル推進部 部長
清水 健一 氏
「倉庫特有の事情を考慮するために1つずつ解きほぐしながら製品や方針を提案してもらえました。現実的に自分たちが運用している姿が見えたのがキンドリルでした」
-  SBSリコーロジスティクス株式会社 経営企画本部 デジタル推進部 情報システムセンターセキュリティ推進課 課長
山本 佑美 氏
© Copyright Kyndryl Inc. 2021 Kyndryl は、米国もしくはその他の国における Kyndryl Inc. の商標または登録商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれ Kyndryl Inc. または他社の商標である場合があります。本資料は発行時点で最新のものであり、キンドリルが随時予告なしに変更する可能性があります。キンドリルが事業展開するすべての国で、全製品もしくはサービスが利用できるわけではありません。