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エージェント型AIとは?

エージェント型AIとは

エージェント型人工知能(AI)は、自律的に機能し、人間の介入を必要とせずに選択や行動を行うことができるAIの一種とされてます。

エージェント型AIは、単一のやり取りに対して応答を生成する生成AI (GenAI) を活用したAIチャットボット(たとえば、エンドユーザーがクエリを入力し、それに対してチャットボットが自然言語処理を用いて応答するようなケース)とは異なります。エージェント型AIは、機械学習 (ML) と強化学習 (RL) を活用し、複雑で多くの場合に複数のステップを要する問題を迅速に解決します。高度な推論力と反復的な計画立案力を備え、柔軟な学習、問題解決、変化する環境への適応を実現します。

記事『Agentic AI: The Next Frontier of AI Power』の中で Phong Nguyen 博士は、エージェント型AIは「(生成AIよりも)さらに強力な現象となる可能性がある」1と述べ、AIの発展における「5段階のうちの第3段階(の可能性がある)」1とも記しています。Nguyen博士は、生成AIが創造のあり方に大きな変化をもたらした一方で、エージェント型AIは「複数のエージェントが自律的に学習し、適応し、意思決定する能力を活用して、意思決定および問題解決を加速・自動化できる」点により、次なる大きな変革を引き起こす可能性があると述べています。1

AI、生成AI、エージェント型AIの違い

AIには、相互に関連しつつも異なる3つのタイプがあります。それが、従来型AI、生成AI、そしてエージェント型AIです。

従来型AIは、エンドユーザーが行うのと同様に、さまざまなタスクを実行するために一般的に用いられます。

その名の通り、生成AI はコンテンツ生成用に設計されており、プロンプトに応じてテキスト、画像、コードを生成します。利用可能なデータから学習したパターンに基づいて、人間のような出力を実行します。生成AI プログラムおよびアプリケーションの例には、チャットボット、テキストから画像を生成するジェネレーター、音楽作曲家が含まれます。例としては、ChatGPT や DALL-E です。

生成AIは主にコンテンツの生成に使用される一方で、エージェント型AIは意思決定やタスクの実行、目標や目的の達成に向けた作業に活用されることが多くなっています。エージェント型AIは経験から学び、変化する環境に適応する能力を備えているため、ロボティック・プロセス・オートメーションや自動運転車、より高度なカスタマーサービス向けチャットボットなどのプログラムやアプリケーションに活用されています。

AIの3つの進化の波とは

エージェント型AIは、AIの第3の波と広く見なされています。Forbesの記事『The Third Wave Of AI Is Here: Why Agentic AI Will Transform The Way We Work』、の中で Silvio Savarese 氏は「第1の波は予測型AIであり、これは企業がトレンドを予測し、データに基づく意思決定を行うことを可能にしました」2と述べています。第2の波は生成AIで、「コンテンツを生成し、人間との対話を可能にする(能力)」をエンドユーザーにもたらしました。2そして私たちは今、第3の波に突入しつつあり、エージェント型AIによって「タスク全体の自動化や、私たちに代わってアクションを実行すること」が可能になりつつあるのです。2

出典
  1. Agentic AI: The Next Frontier of AI Power』、Phong Nguyen博士、The New Stack、2025年2月12日
    https://thenewstack.io/agentic-ai-the-next-frontier-of-ai-power/
  2. The Third Wave Of AI Is Here: Why Agentic AI Will Transform The Way We Work』、Bernard Marr氏、Forbes、2024年11月15日
    https://www.forbes.com/sites/bernardmarr/2024/11/15/the-third-wave-of-ai-is-here-why-agentic-ai-will-transform-the-way-we-work/