決済サービスの革新を支える
インフラ変革 

マルチクラウド環境への
大規模移行で支える顧客体験向上

イオンフィナンシャルサービス株式会社 | 金融

ビジネスにおける背景

ポイント経済圏ビジネスや異業種参入により競争が激化する決済サービス市場。デジタル技術の革新が進展する中、生活者からは決済サービスの新しい価値をいち早く享受したいという期待が高まっています。​

クレジットカード「イオンカード」やスマホ決済「AEON Pay」、電子マネー「WAON」など、決済を中心に多様な金融サービスを展開するイオンフィナンシャルサービス。提供サービスの総有効ID数は約3,600万人であり、イオンカードの年間取扱高は約7.5兆円にものぼります。​

同社は、イオングループの事業基盤を活かした複合型金融サービスの提供を目指しています。イオングループはアジア14ヵ国に約300の企業を展開し、国内外で約60万人の「イオンピープル」を擁する日本最大の小売業グループです。​

また同社は、現在の中期経営計画において、基本方針を「第二の創業:バリューチェーンの革新とネットワークの創造」と定め、イオングループが持つ国内外のリアル店舗でのタッチポイントを通じて蓄積されたデータやノウハウを最大限に活用し、デジタルとリアルをバランスよく融合させたプラットフォームの構築に取り組んでいます。​

イオンフィナンシャルサービス 常務執行役員 システム担当 兼 システム本部長 兼 サイバーセキュリティ担当の光石博文氏は、「当社は決済サービスにDXを適用し、それをお客さまに体験していただくことを重視しています。そして、決済サービス各社の競争が激しい現在では、特にサービスを市場に投入して体験を提供するスピード感が重要です」と語ります。

Three people with laptops

技術的な課題

イオンフィナンシャルサービスでは、事業環境の変化に追随するためのIT基盤の大規模な変革プロジェクトを行ってきました。しかし、開始前はシステム開発・運用面での柔軟性やインフラ調達など、さまざまな点で課題が山積していたといいます。​

2017年当時、同社はオンプレミス上に100超のシステム、本番機だけで1,000台を超えるサーバーを運用していました。光石氏は「余剰のあるサーバーもあれば、リソースが逼迫しているサーバーもあり、リソース利用効率が非常に悪い状態でした。さらに、各ベンダーがそれぞれの開発手法を持ち込んでいたため、標準化や共通化ができない状況もありました。アプリケーションと基盤が一体化していることで、ベンダーロックインに陥りやすいことも懸念の1つでした」と振り返ります。​

そこで同社は、約5年をかけて、基盤の統合化に取り組みました。アプリケーションと基盤を分離し、さらにアーキテクチャを統一することで、複数のシステムを効率的に運用できる環境を整備。同時に、バラバラだった開発手法を同社の開発標準に統一しました。​

オンプレミスの統合基盤化を果たしたことで、クラウド化が容易になり、現在は、状況・特性に応じて計画的にクラウド化を進めています。

ソリューション

2023 年以降、同社はクラウド化を本格化させました。クラウドはアマゾン ウェブ サービス(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudの 3つを選択肢とし、システムごとに移行先を決定します。ゆえに、移行および保守を継続的に担う主要パートナーには、 3 つのクラウドすべてに対応できることを求めました。

この要件を満たすパートナーの 1 社として選ばれたのがキンドリルです。以降、ミッションクリティカルな決済領域を含むシステム移行を、安全かつ効率的に推進しています。

  • 統一されたアーキテクチャに基づく標準化された基盤設計を担当し、オンプレミスで確立された統合基盤のコンセプトをクラウド環境でも継承
  • Infrastructure as Code(IaC)による環境構築のプロセス自動化を推進し、構成の一貫性を確保
  • コンテナ技術やクラウドネイティブ技術を積極的に活用し、アプリケーション展開を効率化
  • アプリケーション開発ベンダー、クラウドベンダー、関連基盤の運用ベンダーなど、複数のパートナーとの連携を円滑に進めるマネジメント力を発揮
  • 段階的な移行期間中における既存のオンプレミス環境との接続性を確保
  • 技術的な問題解決を伴う高度な保守サービスを提供

このプロジェクトによる進歩

キンドリルとの協力により、イオンフィナンシャルサービスは、オンプレミスに構築していたシステムのクラウド移行を順調に進めており、移行対象の約100のシステムのうち、現在は8割が完了しています。キンドリルは、2023年度にMicrosoft Azure、2024年度にはAWSの構築ベンダーに採用されました。その他、大規模システムの基盤構築ベンダーにも選定され、開発を実施しています。

  • 当初の計画通り、約100システムの約8割がクラウドへの移行を完了
  • 3つのクラウド(AWS、Microsoft Azure、Google Cloud)を使い分け、コスト最適化された柔軟な基盤選択が可能に
  • 決済を始めとする多彩なサービス提供を迅速化するための柔軟な基盤を獲得
  • クラウド上にシステムを構築することで、グループ内でのデータ活用などを容易に実現可能
     
man in yellow shirt

キンドリルはベンダーフリーの中立的な立場と技術で基盤をしっかりと構築・保守できる会社であると認識していました。期待以上に高い技術力で、プロジェクトを適切にまとめていただき、現場からは納期の遵守率や障害率の低さを高く評価する声が届いています

イオンフィナンシャルサービス株式会社 常務執行役員 システム担当 兼 システム本部長 兼 サイバーセキュリティ担当 光石 博文氏

 

イオンフィナンシャルサービス株式会社 

小売業発の総合金融グループとして、日本を含むアジア11カ国で、生活に密着した金融サービスを展開。クレジットカードに加え、近年はスマホ決済や電子マネー、銀行や保険等の事業の拡大を通じて、多様化する生活者のニーズに対応するとともに、「小売×金融」「リアル×デジタル」の強みを活かしたイオンフィナンシャルサービスならではの金融サービスを提供しています。

この事例は2025年10月時点の情報をもとに構成しました。

プロジェクトチーム

team-1b

光石 博文 氏

イオンフィナンシャルサービス株式会社
常務執行役員
システム担当 兼 システム本部長 兼 サイバーセキュリティ担当​
team-2b

倉本 修平

キンドリルジャパン
執行役員
流通・通信・メディア・公共事業本部長
team-3b

奥谷 耐務

キンドリルジャパン
流通・通信・メディア・公共事業本部
第三事業部 部長
team-4b

上野 秀仁

キンドリルジャパン
流通サービスデリバリー
統括プロジェクトマネージャー