キンドリルは、2026年度のキンドリルフェローと5名の技術理事(Distinguished Engineer、以下DE)を選任しました。日本からは、インフラストラクチャー、アプリケーション開発、お客様との共創など、幅広い領域で経験を持つキンドリルジャパンの南波邦雄がDEに選任されました。
キンドリルフェローおよびDEは、ビジネスとテクノロジーが交わる領域において高い専門性を持ち、技術的な専門知識、イノベーション、継続的な学び、そして次世代の技術者育成を通じて、お客様の変革を支援する技術者です。キンドリルのコンサルタント、デザイナー、デリバリーチームと連携し、お客様やパートナーのビジネス成果の実現に向けて重要な役割を担っています。
南波は、インフラストラクチャーからアプリケーション開発までの幅広い技術領域に加え、お客様とのプロジェクト推進や共創活動にも携わってきました。技術的な専門性とお客様への深い理解を組み合わせ、複雑なテクノロジーがビジネスにどのような価値をもたらすのかを具体化し、技術的な意思決定を支援してきました。
受注処理の迅速化や請求ミスの削減、在庫管理の高度化、納期遵守の強化など、お客様が目指す成果はさまざまです。南波は、まず実現すべき価値を明確にしたうえで最適な技術を組み合わせ、課題解決を支援しています。生成AIとキンドリルが長年培ってきた豊富な運用知見を組み合わせることで、複雑な課題への対応を加速し、お客様のビジネス変革と価値創出を支援しています。
本稿では、エージェンティックAIが企業のIT運用にもたらす変化や、技術者として新たな領域に挑戦する原動力について、南波に聞きました。
エージェンティックAIによる自動化とアプリケーションレイヤーのモダナイゼーションは、企業のIT運用をどのように変えていくのでしょうか。
南波:日々の業務では、技術的な作業に目が向きがちです。しかし、お客様にとって本当に重要なのは、「どのようなビジネス成果を実現したいのか」ということです。
受注処理の迅速化、請求ミスの削減、在庫管理の高度化、納期遵守の強化など、お客様が目指す成果は多岐にわたります。私たちは、まず実現すべき成果を明確にし、その実現に向けてIT運用を最適化することを重視しています。
AIの進化により、こうした取り組みをさらに高度化できるようになりました。従来は、経験豊富なエンジニアが課題を分析し、改善策を検討、検証していましたが、生成AIを活用することで、課題の特定から改善策の提案、さらには検証に至るまで、多くのプロセスを支援し、自動化することが可能になります。
一方で、生成AIだけでは十分ではありません。企業に求められるIT運用の基準やガバナンスを維持しながら成果を実現するためには、自動化の仕組みや自動化コンテンツの整備、ビジネスアプリケーション環境全体にわたるツールチェーンの統合などを含めた包括的なアプローチが必要です。また、障害や不具合を回避するためには、より高度な対応が求められる場合もあります。例えば、問題の原因が判明していても、修正パッチが提供されるまでの間、お客様の環境を保護し続けなければならないケースがあります。
こうした場面で重要な役割を果たすのが、AIOps(AIを活用したIT運用高度化)の機能を備えたKyndryl Bridgeです。Kyndryl Bridgeを活用することで、企業はAIユースケースの実装を大幅に加速できます。また、キンドリルがグローバルで培ってきた豊富な運用知見やベストプラクティスを活用し、キンドリルなら防げる問題の予兆検知や未然防止、迅速な回避策の提供を支援することで、複雑なIT環境における運用品質の向上と安定したシステム運用の実現に貢献します。
この仕事に取り組む原動力は何ですか。また、若い頃の自分にアドバイスするとしたら、何を伝えますか。
南波:私の根底にある原動力は、まだ誰も取り組んでいない領域や、他の人が挑戦をためらうようなテーマに積極的に挑み、自分ならではの価値を生み出すことです。これまでも、そのような考え方を大切にしながら、成果を積み重ねてきました。
キンドリルが今後さらなる成長を遂げるためには、新しく独自性のある技術領域で強みを発揮していくことが重要だと考えています。そして、それは私自身の強みを最も生かせる方向性であると感じています。
若い頃の自分にアドバイスするとしたら、「文章を書く力を磨いておきなさい」と伝えたいですね。自分の考えを論理的に整理し、相手にわかりやすく伝える力は、どのような仕事においてもとても重要だからです。
そしてもう一つ伝えたいのは、「アイデアをため込まずに発信しなさい」ということです。まだ十分に検証されていない、あるいは完成度に自信が持てないからといって、アイデアを胸の内に留めておく必要はありません。まずは周囲と共有し、議論を重ねることでより良いものへと磨き上げていくことができます。
私の根底にある原動力は、まだ誰も取り組んでいない領域や、他の人が挑戦をためらうようなテーマに積極的に挑み、自分ならではの価値を生み出すことです
余暇にはどのようなことを楽しんでいますか。
南波:キンドリルジャパンの社員が一堂に会する社内イベントであるKyndryl Japan Summitでは、ボランティア活動のリーダーを務める機会がありました。その際、日本らしいテーマでギネス世界記録に挑戦することになり、折り紙で作った立方体を組み合わせて、キンドリルのカルチャーアイコンとQRコードをモチーフにしたディスプレイを制作しました。
完成には1,235個の立方体が必要でした。一つの立方体を作るために6枚の折り紙を使用するため、総数7,300枚を超える折り紙を組み合わせ、一つの大きな作品を完成させました。私自身も約200枚のユニットを作りましたが、この挑戦はチームの力なくして実現できなかったと思います。その結果、私たちは「折り紙の立方体を使った最大のディスプレイ」としてギネス世界記録を達成することができました。何よりも、チーム全員で楽しみながら取り組めたことが印象に残っています。
それ以外の時間には、電子工作を楽しんでいます。LEDを使った工作やオーディオ機器の製作・修理、不要になった部品を活用したものづくりが好きです。壊れたものを修理したり、誰かが不要と考えた部品から新しい価値を生み出したりすることに面白さを感じています。もっとも、この面白さを妻と完全に共有できているわけではありませんが。
本記事は、2026年8月19日(米国現地時間)にキンドリルが公開した記事の抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。原文は下記URLをご覧ください。
https://www.kyndryl.com/us/en/about-us/news/2026/08/kunio-namba-ai-driven-enterprise-operations