Shelley Westman著
クラウドコンピューティングはIT業界で最も注目を集めているトピックの1つですが、グローバルビジネスの基盤は依然としてメインフレームであり、しばらく変わりそうにありません。
500人のビジネスリーダーを対象に行われた調査でも、このような考え方が確認されています。
キンドリルでは、メインフレームのトランスフォーメーションとアプリケーションのモダナイゼーションについて、リーダーとそのチームがどのように考えているかを把握するために調査を行いました。この調査は、キンドリルのメインフレームモダナイゼーション状況調査レポート2023年をもとにしています。
この調査から得られた重要な5つのポイントは次のとおりです。
1. 回答者の90%にとってメインフレームは事業運営の鍵であるこれは私たちのお客様と共通しており、キンドリルでは、メインフレームモダナイゼーションには3つの方法があるとしています。
- Modernize on(メインフレーム上でのモダナイゼーション)
- Integrate with(他プラットフォームとの統合)
- Move off(メインフレームからの移行)
回答者のほぼ全員が、自社はハイブリッドアプローチを取っており、ITインフラの異なるコンポーネントそれぞれに対して別のアプローチを行っていると答えています。
2. 回答者の95%が一部のワークロードをクラウドに移行平均してアプリケーションの37%をメインフレームから移行しています。
それにより得られるメリットの上位3つは以下のとおりです。
- 市場投入までの時間の短縮
- パフォーマンスの向上
- イノベーションの向上
興味深いのは、回答者のうち、すべてのアプリケーションをメインフレームから移行したと回答したのはわずか2社だったことです。
「毎日行われるトランザクションの数が膨大なため、トランザクション処理などのコアアプリケーション用にメインフレームを維持しています」
3. どのようなアプローチであっても、メインフレームモダナイゼーションは利益を生み出す
メインフレームをモダナイゼーションすると、少なくとも平均2,330万ドルの年間コストが削減すると見込まれています。
メインフレーム・モダナイゼーション・プロジェクトの平均コストは、企業のIT予算の3.9%です。また、メインフレーム上でのモダナイゼーションによって平均9%、他プラットフォームとの統合で平均11%、メインフレームからの移行によって平均11%の収益性向上が予想されます。
4. 調査対象の企業のうち、メインフレーム・モダナイゼーション・プロジェクトが完了したと回答したのはわずか14%
北米の保険会社の事業部門幹部は、次のように述べています。 「オンプレミスのメインフレームシステムをモダナイゼーションする際には、通常、外部のパートナーを選びます。当社はまだモダナイゼーションの初期段階にあり、メインフレームモダナイゼーションに対応する専門知識が不足しているため、外部パートナーの支援を受ける必要があるのです」
メインフレームのモダナイゼーションは、ハイブリッドプラットフォームやセキュリティ、レジリエンシーなどを含む専門分野の経験を必要とすることが多いため、このコメントに対して共感の声があがっています。
「オンプレミスのメインフレームシステムをモダナイゼーションする際には、通常、外部のパートナーを選びます。当社はまだモダナイゼーションの初期段階にあり、メインフレームのモダナイゼーションに対応する専門知識が不足しているため、外部パートナーの支援を受ける必要があるのです」
5. 回答者の懸念事項のトップはセキュリティ
回答者がメインフレーム環境で最も懸念しているセキュリティリスクは以下の通りです。
- データ損失
- アカウントの乗っ取り
クラウド環境では以下が挙がります。
- データ漏えい
- アカウントの乗っ取り
- データ損失
「セキュリティにおいて、メインフレーム環境とクラウド環境にはそれぞれメリットとデメリットがあります。メインフレームは通常、強固なセキュリティ機能を備えており、機密データの保存と処理に何十年も使われてきました。メインフレームは、ハードウェアとソフトウェアに統合された複数のレイヤーのセキュリティ制御を備えており、攻撃者の不正アクセスを防いでいます。クラウド環境はまた異なったメリットをセキュリティに提供します。クラウドプロバイダーは、ファイアウォール、侵入検知システム、暗号化技術などのセキュリティ対策に多額の投資を行っています」
キンドリルはお客様とのやり取りの中で、多くの企業がメインフレームに留まるか、メインフレームから移行するかという、モダナイゼーションへの単一のアプローチを選択していないことを認識しています。つまり、適切なプラットフォームで適切なワークロードを優先するハイブリッドモデルを模索しているのです。
メインフレームの活用により多くのメリットを得るために、私たちが提案する方法についてはこちらをご確認ください。また、キンドリルのメインフレームモダナイゼーション状況調査レポート2023年はこちらからご確認ください。
Shelley Westman は、キンドリルの事業開発担当バイスプレジデントです。