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シティファニチャー

BCP対策の一環としてクラウド移行に着手し、ハリケーン被害からデータを確実に保護

1970年代に設立されたシティファニチャーは、フロリダ州タマラックに拠点を置く家具メーカーです。同社は、一人ひとりの好みやライフスタイル、予算に合わせた商品の販売をモットーにしています。また、1,800人以上の従業員を擁しており、29店舗の直営店と2拠点の配送センターに加え、ECサイトも運営しています。配送トラックの燃料に圧縮天然ガスを使用したり、年間数百万ポンドも排出される廃棄物をリサイクルしたりと、地球環境にも配慮しており、2018年には「Sustainable Furnishings Council」で最高得点を獲得しています。

ビジネス課題

シティファニチャーは、ハリケーンの被害に遭いやすい南フロリダに複数の店舗を構えています。同社では、たとえハリケーンの影響を受けたとしても、ビジネスの継続に必要不可欠なコンピューターを稼働させられるよう、信頼性の高いソリューションを探していました。また、ミッションクリティカルなx86サーバーを運用することから、拡張性の高いマネージド・クラウド・オプションも必要でした。

トランスフォーメーション

ビジネスに欠かせないコンピューターの運用と重要な顧客データをクラウドに移行することで、ハリケーンの被害からシステムとデータを保護することに成功しました。また、必要に応じてコンピューティング能力を拡張するとともに、クラウドベースのアプリケーションやコグニティブ機能を追加できるプラットフォームを構築できました。

結果

キンドリル(旧IBMインフラストラクチャーサービス)とコラボレーションすることで、ビジネスの成長をサポート

オンデマンドでコンピューティング機能を提供することで、予期せぬスケールアップにも柔軟に対応

複数のIBM Cloudのロケーションにおいて、ネットワークモニターとバックアップのサポートを24時間体制で提供

ハリケーン多発地域でも事業を継続させるべくクラウド移行を検討

ハリケーンやサイクロンの破壊力ほど恐ろしい自然災害はありません。ハリケーンが接近すると時速150マイルの風が吹き荒れ、津波が車を押し流し、何百万もの家や会社が倒壊してしまいます。

フロリダ州は、アメリカでも群を抜いてハリケーンの被害が多い地域です。1851年以降、100以上のハリケーンがフロリダ州のキーウェストとペンサコーラに上陸したというデータがあり、気候変動と海面上昇に伴い、ハリケーンの被害がさらに拡大すると言われています。

フロリダ州でも有数の家具メーカーであるシティファニチャーは、オンプレミスでコンピューティング・システムを運用しており、重要な顧客データをローカル・データセンターに保存していました。ですが、ハリケーンによる停電やヒヤリハットが相次いだことから、BCP対策の一環として、南フロリダ事業所の災害リスク軽減に乗り出すことにしました。それに伴い、重要なデータを迅速にバックアップでき、なおかつ耐障害性にも優れた信頼性の高いソリューションを探していました。当時について、技術部門の代表でもある同社 テクノロジー担当上級副社長のChad Simpson氏は以下のように振り返ります。

「信頼性に優れたクラウドベースのコンピューティングプラットフォームにデータを移行することで、より大きなワークロードを処理できるようになります。これにより、キャンペーンや繁忙期の際にも耐えられる柔軟性を獲得できるようになります。そこで、クラウド移行プロジェクトのパートナーとしてキンドリルを選定しました。キンドリルは40年以上にわたり当社とパートナーシップを組んでいるため、当社の事業内容やビジネスデータの有効な活用方法をよく理解しており、クラウド移行プロジェクトを成功に導いてくれると確信していました」

 

BCP対策だけでなく、イノベーションの創出も実現

シティファニチャーは、ネットワークの信頼性と耐障害性を高めるために、キンドリルのクラウド・マイグレーション・サービスを利用し、IBM Cloudにシステムと顧客データを移行しました。これにより、クラウドベースのアプリケーションやコグニティブコンピューティングを提供できるプラットフォームを構築。顧客体験の向上に役立つ基盤を手に入れました。

また、キンドリルのサポートを活用し、オンプレミスとのハイブリッドで運用していたサーバーを、ハリケーンの発生リスクが高い地域から順にクラウドへ移行。これにより、高い復元力を備えたコンピューティングインフラストラクチャーを構築し、データ保護の強化、情報漏えいリスクの軽減、クラウド・バックアップ・サービスによる重要情報へのアクセスの確保も実現しました。

さらに、クラウド移行後もキンドリルと協業し、小売業界向けにクラウドベースのアプリケーションを作成しました。

「事業継続に欠かせないデータとサーバーを、地理的に離れたアメリカ国内の4つのデータセンターに移行したことで、“ハードウェアのお守り”から解放され、削減できた人的リソースをイノベーション促進に向けた取り組みに回せるようになりました」(Simpson氏)

 

継続的なイノベーション創出に向けてテクノロジー活用プロジェクトを発足

IBM Cloudへの移行後、シティファニチャーでは、他拠点にネットワーク資産を分散させることで、業務継続に注力できる環境を整えました。一方キンドリルでは、HADR機能(※1)や24時間体制のシステム監視など、クラウドコンピューティングの運用をトータルでサポートしています。クラウドコンピューティングにより得られたメリットはこれだけにとどまらず、ワークロードに応じてシステムのスケールを最適化できるようになりました。つまり、コンピューティング能力に応じて料金を支払う、従量課金での料金体系になったのです。

※1 HADR :High Availability Disaster Recoveryの略。高可用性災害時リカバリーとも呼ばれる

また、同社ではクラウドに移行した運用データや顧客データを効率的に活用するために、AIやアナリティクスといったツールの導入プロジェクトも新たに打ち出しています。

「クラウド移行により、当社が単なる家具メーカーから、家具を販売するテクノロジー企業へと変革できたと、当時の社長は評価しています。テクノロジー企業であり続けるためにも、クラウドやコグニティブ、データ、分析をはじめとする最先端テクノロジーを活用し、継続的にイノベーションを起こし続ける必要があります。その足掛かりとして、今後も競争力の強化に取り組んでいきます」(Simpson氏)

2021年10月

「当社のシステムがダウンすれば、お客様の信頼が失われるため即時の対応が求められます。ですが、クラウドに移行したことで、事業継続に安心して取り組めるようになりました」
-  シティ・ファニチャー テクノロジー担当上級副社長
Chad Simpson 氏
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