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インド国立証券取引所

ディザスタ・リカバリーに自動化の仕組みを採用し、迅速性と効率性を実現

インド国立証券取引所(以下、NSE)は、ムンバイに本社を置く、インドを代表する証券取引所です。1992年にインドで初めて法人化された電子取引所として設立された同社は、沿革の中で常に新しいものを打ち立ててきました。1994年には、インドの取引所で初めてスクリーン・ベースで完全自動化された電子取引システムを提供し、2000年にはインド初のインターネット取引を立ち上げました。同社の時価総額は2兆2,700億米ドルを超え、世界で11 番目に大きな証券取引所となっています。

ビジネス課題

NSEはデータ・センターの切り替えを専門家に一任していること、切り替えのプロセスを手作業で行っており時間を要することから、万が一の場合に備えてディザスタ・リカバリーの運用を自動化できるツールを探していました。

トランスフォーメーション   

インドを代表する証券取引所であるNSEは、災害時でも可用性を保ち続ける必要があります。同社は、キンドリル(旧IBMインフラストラクチャー・サービス)と連携して、災害復旧用にキンドリルのレジリエンシー・オーケストレーションソリューションを実装。自動化による作業負荷の軽減とヒューマン・エラーが発生する可能性の抑制を実現し、さらに切り替え時間を80%短縮することに成功しました。

結果

切り替えとスイッチ・バックの時間を80%削減

ボタン1つでディザスタ・リカバリーの訓練を実行できるように

ディザスタ・リカバリー訓練時における高度なスキルを持つ専門家への依存度を低減

現代におけるリスクと脅威に向き合う

業務プロセスを全て電子化したインド初の電子証券取引所として1994年に設立されて以来、NSEは常にテクノロジーを積極的に活用してきました。ソフトウェア開発を主な事業とするNSE インフォテック・サービス社は証券取引所の継続的なDX実現に貢献しており、事業停止を回避するためにシステムを稼働させ続けています。

最高技術責任者(CTO)であるGM Shenoy氏は、事業停止に至るインシデントにはいくつかの要因があると指摘します。

「インシデントの要因にはサイバー攻撃やITシステム自体の動作不良や故障などの可能性があります。そのため、サイバー攻撃やその他のインシデントに直面しても事業を運営できる包括的なレジリエンスが非常に重要です」

こうした理由から、同社は毎月模擬的な災害復旧訓練を実施。さらに、ムンバイのプライマリー・サイトからチェンナイのバックアップ・サイトへの切り替え訓練を半年ごとに実行しています。規制で定められている目標復旧時間(RTO)は4時間ですが、これは訓練中の4時間は取引所がオフラインになる可能性があることを意味します。

「規制上では3〜4時間のRTOで問題ありません。しかし私たちは1年ほど前から、取引システムだけでもスピーディーに災害対応サイトに切り替える方法を探す必要があると考え始めました」(Shenoy氏)

既存のディザスタ・リカバリー訓練は、同社の物理システムと仮想システムが混合するシステムを、チェンナイのバックアップ・サイトに手動で切り替えており、高度なスキルを持つ技術者が必要不可欠でした。プロセスの進行には手間と時間がかかり、手順を誤ったり、全体的な効率が低下したりすることがあったとShenoy氏は振り返ります。

「我々は当社の事業部門が抱えていたディザスタ・リカバリーの遅延や停止を解決する取り組みから着手しました。内部の事業部門に限らず、外部のブローカーや取引先にもサービスを提供し続けるためにも、ディザスタ・リカバリーのプロセスを自動化できるツールを見つける必要があったのです」(Shenoy氏)

 

ディザスタ・リカバリー運用の自動化   

NSEは、キンドリルのビジネス・レジリエンシー・サービスと協力して、重要なアプリケーションのディザスタ・リカバリーを自動化するソリューションであるレジリエンシー・オーケストレーションを実装しました。同ソリューションには切り替え時間を短縮し、予測可能な範囲のディザスタ・リカバリーをサポートして、顧客のビジネス・サービスの向上に役立てる目的があります。キンドリルのチームは、同ソリューションのリカバリー・オートメーション・ライブラリーを使用して、カスタムのワークフローを作成しました。

このクラウド・ベースのソリューションにおいて特筆すべきことは、同社のようなハイブリッドまたはマルチクラウド環境での使用に最適である点です。

キンドリルのチームは、ソリューションの導入を段階的に進めました。初めに同社の「リスク管理システム(RISK)」と「Connect-to-NSE(C2N)」アプリケーションに取り組み、その後はインデックス、情報フィード、通貨フィードと監視(IICS)、清算と決済(CNS)、エンタープライズ、サードパーティー、およびトレーディング・アプリケーションへの導入に着手しました。同社はソリューションを適用する範囲を拡大したことで、実装サービスの提供から2022年までのマネージド・サービス・サポートの提供へとサービスをアップグレードしています。

レジリエンシー・オーケストレーション・ソリューションは、ディザスタ・リカバリー訓練を自動化して、ヒューマン・エラーの発生抑止と労力の削減を実現すると同時に、同社が設定したSLA内で行動する助けとなります。

これにより、社内業務や外部サービスに大きな影響を与えることなく、データ・センターをチェンナイのバックアップ・センターへと切り替えることを含め、同社が行っている毎月1回と半年に一度の訓練を簡単に実行できるようになりました。

 

ディザスタ・リカバリーを「いつものこと」にする   

NSEは、レジリエンシー・オーケストレーション・ソリューションを導入することで、スイッチ・オーバーとスイッチ・バックにかかる時間を80%短縮しました。

「キンドリルのツールを初めて使用したとき、ディザスタ・リカバリーにかかる訓練時間が1時間ほどに短縮されました。トレーディング・システム全体のディザスタ・リカバリーに関わる活動の全体に導入してから、スイッチ・バックはわずか40分で済むという飛躍的な進歩を遂げています」(Shenoy氏)

そして、ディザスタ・リカバリーにかかる時間の短縮はソリューションを長期間にわたり使用しても成功し続けています。「私たちは、ソリューションを導入して試しただけでなく、毎月実施している模擬訓練の度に使用するようになりました」と、Shenoy氏は言います。同社は、毎月の模擬訓練で100%の成功率を収めています。さらに同ソリューションは、同社の大規模な切り替え訓練でも効果を発揮しました。

「チェンナイのサイトへの切り替えを半年ごとに計画立てて行う際は、キンドリルのレジリエンシー・オーケストレーション・ソリューションを使用しています。つまり、キンドリルのソリューションを使用して、チェンナイから市場を運営しているということです」(Shenoy氏)

また、このソリューションを活用すると、自動化されたワークフローによって、切り替えに必要な人的リソースや労力を削減できます。自動化の範囲には、担当者がボタンを押すだけでディザスタ・リカバリーの訓練を開始できることも含まれます。以前は、同社が訓練を開始する前に、ディザスタ・リカバリーの専門チームを配置する必要がありました。しかし、導入後はプロセスを高速化できるだけではなく、人手による作業とヒューマン・エラーを抑えられるメリットを享受しています。そしてITに精通した人員は、ダウンタイムを活用して最も緊急性の高いリカバリー関連の課題に注力できます。Shenoy氏は、「テクノロジー関係者は、従来と比較してはるかに短い時間で最高の結果を得られることに満足しています」と強調します。

Shenoy氏は、社内外のステークホルダーが満足していると前置きしたうえで、「同ソリューションを実装したことで、停電や遅延が解消されただけでなく、全体的なプロセスが非常に効率的になりました」と語ります。

「ブローカー・コミュニティーと投資家にとって、これは透明性が高いと言える活動でした。彼らは、通常通りの1日を送れ、なおかつ日常の業務にこの活動を自然と組み込めたことに満足しているのです」(Shenoy氏)

Shenoy氏はこのソリューションを信頼していることを述べ、「災害にどの程度備えているかと尋ねられたら、私たちはいつでも準備できています、と答えます。我々は、開発環境で毎月テストしており、半年ごとの切り替えの模擬訓練を実施していますが、成功を収めているためです」と語ります。

2021年10月

「災害への備えがどの程度あるかと尋ねられたなら、私たちはいつでも準備できています、と答えます」
-  インド国立証券取引所

最高技術責任者(CTO)GM Shenoy氏

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